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何もしなければ年齢とともに機能が低下していく脳ですが、高齢者でも訓練することで高い活動を示します。才能は若い頃だけのものではなく、努力すれば高齢者になっても脳細胞は増え、能力もアップします。大切なのは、ダメと諦めないことです。好きなことや興味のあることを学び続け、楽しみながら脳を鍛えれば心も元気になります。生き生きとした脳でいつも若々しい毎日を過ごしたいものです。
■ 訓練すれば高齢者でも能力アップします
平均寿命が年々延びていく中、80歳代でもステージに立つジャズボーカルや現役の大学生など、生き生きと人生を楽しんでいる人たちがいます。彼らの能力は、特別に優れているのでしょうか?
人間の能力のピークは50歳代といわれていますが、能力はその種類によって年齢とともに異なる変化を見せます。科学の研究者や工業系技術者などの日頃から特別な環境下の人を除いた一般的な人である場合、情報を素早く理解する能力(知覚の処理速度)は、20歳代から低下しますが、言語能力は80歳代でも向上します。また、地図や場所を理解する空間処理能力は、60歳代でも20歳代とほぼ同じレベルを保ちます。
では、訓練した脳とそうでない脳ではどのように違うのでしょう。
記憶しようとする人と脳の活動を機能的MRIで調べた結果(参考資料:Hedden, T and Babrieli, D.E. Nature Neuroscience 5;87,2004)によれば、若者と訓練をしていない高齢者では、主として左の前頭葉が活動しますが、訓練をしている高齢者では、左右の前頭葉が活動し、その活動は若者以上でした。
脳の活動のすべてについて、訓練すれば脳は高い機能を維持できるのです。年齢を言い訳にせず、生き生きとした人生を目指しましょう。
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