*--若々しい毎日の「体の内側からの美肌対策」--*


体の内側からの美肌対策  (2005/08/29 update)
《くすみ》は衰えた肌のSOS  (2005/08/31 update)
肌の健康度チェック  (2005/09/01 update)
コラーゲンが美肌をつくる  (2005/09/02 update)
血流とコラーゲンの大敵「活性酸素」  (2005/09/03 update)
活性酸素から肌を守る「抗酸化成分」  (2005/09/04 update)
健康な肌をつくる食生活  (2005/09/05 update)
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体の内側からの美肌対策
 年齢とともに、くすみやシミなどの覇だのトラブルが増えるのは避けられないことですが、毎日の生活で質の高い睡眠や適度な運動、バランスの良い食生活、十分な紫外線対策などを心がけましょう。同時に年齢とともに失われる肌の水分や脂分などの化粧品で外側から補うだけでなく、体の内側からケアを実行することも大切です。


■ 健康な肌は常に生まれ変わる

 男女問わず、30代を過ぎる頃からシミやくすみ、たるみなどの覇だのトラブルが増えてきます。

 肌の構造は、外側から皮脂膜、表皮、真皮、皮下組織で構成され、表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層、基底層の四層に分かれています。

 皮脂膜は水分の蒸発を防ぎ、乾燥を防ぐために重要な働きをしていますが、加齢にともない性ホルモン(エストロゲン)が減ると皮脂腺からの皮脂の分泌も減少し、肌も乾燥していきます。また、表皮を形成する細胞は、90%以上を占めるケラチノサイト(角化細胞)とメラノサイト(色素細胞)の大きく2つに分類されます。

 このうち、角化細胞は基底層で生まれてから約2週間で角質層に達します。基底層から顆粒層まで細胞分裂を繰り返し、角質層で無核の細胞になり(角質化します)、約30日間かけて剥がれ落ち、次に押し出されてきた角質層にバトンタッチするのです。

 このように、健康な肌は常に新しく生まれ変わっていますが、老化により新陳代謝が順調に行われなくなると、さまざまな肌のトラブルが起こるようになります。


### 皮膚の構造のその役割 ###

【角質層】・・・・体を保護し、皮膚の水分を保つ
【表皮】・・・・・肌の新陳代謝の主役で、角質層の元となる
【真皮】・・・・・肌の張り保ち、触覚・痛覚・温度覚などを感じる
【皮下組織】・・・衝撃を和らげる。


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《くすみ》は衰えた肌のSOS
 さまざまな肌のトラブルの中で、年代を問わず多くの女性が悩んでいるのが、肌のくすみです。

 《くすみ》とは、シミ・そばかすが多い、顔色が冴えない、血色が悪い、肌に透明感がないなどの肌の状態のことであり、衰え始めた肌のSOSともいえるでしょう。

 くすみをはじめとする肌トラブルが起こる原因はさまざまです。中でも、メラニンの生成・沈着、角質層の状態(乾燥やキメの乱れ、角質層が厚くなるなど)、毛穴の状態(毛穴の目立ち、ニキビ跡、角栓など)、血流量の低下、うっ血による「血流の停滞」などが、主な原因と考えられています。

 健康な肌は常に新しく生まれ変わっていますが、そのためにはいつも、肌に新鮮な血液が流れていることがとても大切です。なぜなら、美肌をつくるのに必要な栄養は血液を通して肌全体に行き届き、その一方で、たまった老廃物が排出されるからです。

 ところが、加齢とともに皮膚の血流量が減少すると肌に必要な栄養が不足するだけでなく、肌の新陳代謝も衰えます。その結果、本来剥がれ落ちるべき角質化した古い細胞がいつまでも残ってしまったり、うっ血が生じたりして、肌全体がくすんだ印象になり、透明感もなくなります。

 くすみなどの肌のトラブルの解消には、毎日の食生活や生活習慣を見直し、紫外線対策を十分に行うだけでなく、血流を改善し、肌の新陳代謝を促進することが重要です。


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肌の健康度チェック
 中高年になると、「最近シミが増えた」「肌に透明感がない」などの声をよく聞きます。加齢による老化が大きな原因の場合もありますが、同じ年齢でも張りのある若々しい肌の人もいます。まず、あなたの肌の健康度を次のリストでチェックしましょう。


### 肌の健康度をチェック! ###

・鼻の周りの気穴が開いている

・シミができている

・肌に透明感がない

・肌の張りがない

・口元にしまりがない

・目の周りに小じわが目立つ

・10〜20代の頃によく日焼けをした

・洗顔後、突っ張り感が強い

・口元のシワがはっきりと見える

・頬を指で押さえても弾力が感じられない。


### 診断結果 ###

【3〜4つ】…少し注意が必要です(イエローカード)。

【5つ以上】…要注意です(レッドカード)。


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コラーゲンが美肌をつくる
 先述したように、皮脂膜や表皮には大切な役割があります。しかし、それも言わば《足場》となる真皮があってこそ話です。肌を根本的に若々しく保つには、真皮組織、さらには真皮血管が良好であることが不可欠です。

 皮膚の内側には真皮が2〜3mmの厚さで広がり、表皮との境目に肌の凸凹を左右する乳頭層、そして、弾力を決定付ける網状層と続きます。

 真皮の繊維成分には、コラーゲン繊維と弾性繊維の2種類があり、より多くを占めるコラーゲン繊維の主成分がコラーゲンというタンパク質で、なんと真皮の70%を占めています。また、弾性繊維の主成分はエラスチンというタンパク質で、こちらは真皮の約5%となっています。これら2つの組合せで肌が形成されることになります。

 真皮に占める割合を考えても、コラーゲンの質と量が美肌をつくり、コラーゲンの衰えは即、肌の衰え、すなわち、しわやたるみに直結するといえるものとなります。


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血流とコラーゲンの大敵「活性酸素」
 呼吸によって取り入れた酸素が変化してできる「活性酸素」の存在は、細胞の酸化を促進し、さまざまな疾病の原因となります。そのほか、活性酸素は血管拡張作用を妨げて、血流を停滞させることも確認されています。

 体内にはSOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)という活性酸素消去酵素があり、活性酸素の作用を抑えています。しかし、加齢とともにSODの働きが低下すると、肌や血管、内臓は活性酸素の害を受けやすくなります。そのため、これまで活性酸素が老化に関与していると考えられてきましたが、最近の研究で、細胞内小器官「ミトコンドリア」にあるDNAの損傷蓄積が老化の一因となるメカニズムを解明されたことから、活性酸素や酸化ストレスの増加は、老化に関与していないことが分かりました(つまり、老化までは関与していなかったということがわかったわけですが、現状においての科学の力では、「活性酸素」の存在は、細胞の酸化を促進し、さまざまな疾病の原因となることや、性酸素は血管拡張作用を妨げて、血流を停滞させることには変わりありません。)。

 また、コラーゲンは、タンパク質でできた3本の鎖が絡まった螺旋状の線維で、それが集まって、皮膚の中で互いに直角に交わりながら網目状に広がっています。この螺旋をつくるときに不可欠なのがビタミンCで、不足すると正常なコラーゲンの補給が間に合わず、肌に張りが失われ、しわやたるみの原因となります。

 加齢とともに、コラーゲン線維は細くなります。螺旋構造が伸びて絡み方が簡単になり、線維の数自体が減少していきます。

 健康な肌では合成と分解の量が等しく、体内では一定量に保たれているコラーゲンですが、その情報は遺伝子によってプログラムされていると考えられています。

 従来の説であると、この遺伝子に損傷を与え、コラーゲンの分解を促進し、さらに老化を進める大敵も活性酸素だと考えられてきましたが、活性酸素が老化の原因に関与していなかったということが最近の研究でわかったばかりで、損傷を受けた遺伝子はわかっていますが、何が遺伝子に損傷を与えたか、までの詳細はまだわかっていません。


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活性酸素から肌を守る「抗酸化成分」
 活性酸素をそのままにしておけば、肌や血管の衰弱は進む一方です。活性酸素を増やす生活習慣(日焼け、喫煙、ストレスを溜める…など)を改め、活性酸素を抑える働き(抗酸化作用)のある成分を摂取し、老化により低下するSODの働きを補うことが大切です。

 抗酸化成分は毎日の食生活で積極的に摂取したい成分ですが、特に近年、注目されているのがフランス海岸松の樹皮抽出物「フラバンジェノール」です。

 フラバンジェノールは、オリゴメック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分とするポリフェノールの一種ですが、フランスでは約30年前から知られている健康成分です。

 くすみなどの肌トラブルを解消し、美肌をつくるためには血流改善と健康なコラーゲンが大切なのは先述したとおりです。そのためには、血液循環を促進し、紫外線や活性酸素の吸収を抑え、真皮のコラーゲンやエラスチンが活発に作用する環境を整えることが大切です。

 これからの美肌づくりには、活性酸素を除去するポリフェノールなどの抗酸化成分が欠かせません。中でもフラバンジェノールは、さまざまな研究機関や大学の研究により、血液循環やコラーゲン合成への関与など、肌の健康に役立つ働きが期待されています。


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健康な肌をつくる食生活
 健康で生き生きとした毎日には、バランスのとれた食生活が欠かせません。その上で、下記に示すように、肌によい栄養素を積極的に摂取することで確実に差が出てきます。

 加齢による肌のトラブルには、コラーゲンを豊富に含む食品や、その合成を促すビタミンC、肌を乾燥から守るビタミンAなどを含む食品を十分に摂取しましょう。

 その他、皮膚の新陳代謝に関与するビタミンB群、老化を防止するとされるビタミンE、活性酸素による害を防ぐポリフェノールなどの抗酸化物質も欠かせません。

 毎日の食事では摂り辛いコラーゲンや抗酸化物質などは、サプリメントを上手に利用して摂取するのも良いでしょう。


### 健康な肌に欠かせない栄養成分 ###

【ビタミンA】
皮膚や粘膜を健全に保つ。皮膚を乾燥から守る成分。
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜、卵、牛乳、チーズなど

【ビタミンB群】
体の成長に関わるB_2、タンパク質合成に働くB_6など、皮膚の新陳代謝をサポート。
ぶり、さば、牛乳、さんま、まぐろ、バナナなど

【ビタミンC】
抗酸化作用。コラーゲンの生成促進。メラニン色素の生成と肌への沈着を防ぐ。
いちご、キウイ、グレープフルーツ、レモン、ブロッコリー、緑茶など

【ビタミンE】
活性酸素を除去する抗酸化作用。
ゴマ、アーモンド、ピーナッツ、植物油、緑黄色野菜など

【抗酸化物質】
抗酸化作用から肌だけでなく体全体の機能弱体化を防止する。
ブドウ、大豆、ゴマ、アシタバなど

【コラーゲン】
肌の弾力を保つ。
豚足。鶏手羽肉、フカヒレ、牛すね肉など

(参考資料:「肌のトラブルで悩む人に / 川島 眞監修」/ NHK出版)


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