*--「野菜のパワー」栄養素と効能--*


野菜で摂取できる栄養素と効能  (2005/06/30 update)
第四の栄養素と効能、野菜の「ポリフェノール」  (2005/07/01 update)
動脈硬化はポリフェノールで防げるか!?  (2005/07/02 update)
野菜の代表的ポリフェノール―【ケルセチン】  (2005/07/03 update)
野菜摂取で健康生活  (2005/07/04 update)
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野菜で摂取できる栄養素と効能
 野菜はビタミンやミネラル、植物繊維など、健康的な毎日に必要な栄養素の補給源です。近年では、野菜に含まれる第四の栄養素であるポリフェノールが、重要な健康成分として注目されるようになりました。

 今話題の『ケルセチン』は野菜に含まれる代表的なポリフェノールで、現代人の健康に欠かせない成分です。毎日の食生活で1日350g以上を目標に摂取するとよいとされています。


■ 野菜に含まれる3つの栄養素と働き

 野菜は健康維持に欠かせないビタミンやミネラル、食物繊維の重要な供給源です。

 ビタミンの「ビタ」はドイツ語源の「生命」の意味で、生命維持に欠かせない大切な要素として引用されています。

 ビタミンは他の栄養素の働きを助け、生理機能を調節するに必要な栄養素です。また、ミネラル(無機質)は微量で体の各組織を構成する重要な役割を担っています。骨の形成や神経の発達、生理機能の調節に関わり、酵素の一部としても働きます。食物繊維は消化酵素で消化されない成分であり、腸内の有害物質や老廃物を除去し便秘を防ぎます。

 私たちが野菜から摂取していると考えられる栄養素は、ビタミンAとビタミンC、ビタミンK、葉酸、食物繊維です。その他にビタミンB_1、ビタミンB_2、カルシウム、鉄なども20%前後を野菜で補給しています。

 野菜不足の毎日では、これらの栄養素も不足する可能性があるため、欠乏症が起こることにもなりかねません。


■ 野菜が供給源となる主な働きと欠乏症

【栄養成分】ビタミンA
【機能】夜間の視力の維持を助け、皮膚や粘膜の健康維持を助ける
【主な欠乏症】夜盲症、角膜乾燥症
【多く含まれる野菜】小松菜、人参、ほうれん草など

【栄養成分】ビタミンC
【機能】皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ
【主な欠乏症】壊血病、色素沈着
【多く含まれる野菜】ブロッコリー、菜の花、ピーマンなど

【栄養成分】ビタミンK 【機能】骨の強化、止血作用、骨粗鬆症の予防
【主な欠乏症】血液凝固時間の延長、出血
【多く含まれる野菜】アシタバ、小松菜、おかひじきなど

【栄養成分】ビタミンB_1
【機能】炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や面膜の健康維持を助ける
【主な欠乏症】食欲不足、神経障害、脚気
【多く含まれる野菜】そら豆、枝豆、いんげん豆など

【栄養成分】ビタミンB_2
【機能】皮膚や粘膜の健康維持を助ける
【主な欠乏症】口内炎、口角炎、口唇炎
【多く含まれる野菜】アスパラガス、ブロッコリー、にんにくなど

【栄養成分】ビタミンE
【機能】抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける
【主な欠乏症】赤血球の溶血、不妊、冷え性
【多く含まれる野菜】アボガド、さつまいも、ほうれん草など

【栄養成分】葉酸
【機能】赤血球の形成を助ける
【主な欠乏症】貧血、食欲不振、鬱
【多く含まれる野菜】じゃがいも、アスパラガス、さつま芋など

【栄養成分】カルシウム
【機能】骨や歯の形成に必要な栄養素
【主な欠乏症】骨粗鬆症
【多く含まれる野菜】小松菜、大根のは、つるむらさきなど

【栄養成分】鉄
【機能】赤血球を造るのに必要な栄養素
【主な欠乏症】貧血
【多く含まれる野菜】ほうれん草、小松菜、菜の花など

【栄養成分】食物繊維
【機能】便秘予防、腸内環境の改善
【主な欠乏症】便秘、肥満、虫歯
【多く含まれる野菜】ごぼう、大根、ほうれん草など

(参考資料:「からだに効く栄養成分バイブル」監修・中村丁次 / 出版元・主婦と生活社)


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第四の栄養素と効能、野菜の「ポリフェノール」
 野菜で摂取できる栄養素と効能においての基本的なものは、ビタミン、ミネラル、植物繊維ですが、現代人に欠かせない第四の栄養素と効用が《ポリフェノール》です。

 ポリフェノールは植物に含まれる色素成分や苦味・渋味成分で、自然界に何千種類も存在します。光合成のプロセスや紫外線によって生じる活性酵素から、植物自身の生命を守るための生体防御物質であり、人間の体内でも抗酸化作用を有することがわかっています。


■ 主な食品に含まれるポリフェノール

◎苦味・渋味成分
【多く含まれる野菜】
  茶類(カテキン)
  コーヒー(クロロゲン酸)
  赤ワイン(タンニン)

◎色素成分

【色素】クリーム〜黄色
【多く含まれる野菜】
  柑橘類(ケンフェロール)
  キク科(ルテオリン)
  アシタバ(カルコン)

【色素】赤・赤紫・青色
【多く含まれる野菜】
  ブドウ・ベリー類(アントシアニン)
  ナス・赤キャベツ(アントシアニン)

【色素】白色
【多く含まれる野菜】
  玉ねぎ(ケルセチン)
  大豆(イソフラボン)

(参考資料:「色から見た食品のサイエンス」/ サイエンスフォーラム)


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動脈硬化はポリフェノールで防げるか!?
 これは、個人の体質や日頃の栄養摂取量やストレスや不摂生などの日常生活における環境によって異なるので、動脈硬化をポリフェノールで防げるかどうかは個人差があるとは思います。

 動脈硬化を抑える効果(抗酸化物質)は、ポリフェノールの他にも、サメ生肝油の成分で見られるような、アルキルグリセロール(白血球を生成・増加し免疫力を強化して活性化させる)やオメガ3脂肪酸(血液をきれいしにして中性脂肪を防ぐ)を筆頭としたものや、血液中のLDL(ロー・デンシティ・リポタンパク)や中性脂肪を下げて血管にコレステロールが溜まるのを防いでくれる成分なども含んでいますし、漢方薬などで使われるイチョウ葉の生エキスのような血液をきれいにするものや、黒酢のような酢酸系で防ぐ方法もあります。

 これらのような、ポリフェノールなどの抗酸化物質の重要な働きは、血中に増えすぎた悪玉コレステロール(LDL)が活性酸素に酸化され、本物の悪玉「変性LDL」になるのを防ぐことです。

 ポリフェノールは自らが身代わりになって酸化されることで、LDLの酸化を防いでいます。

 「変性LDL」は、体にとっては老化を促進させ体(肉体内)を死に追いやる存在です。血管内の掃除人(或いは、保安官)マクロファージ(大食細胞)に食べられてしまいます。ところが、マクロファージにも限界があるため、「変性LDL」を食べすぎたマクロファージは泡沫化して、脂肪を多く含む泡沫細胞になります。

 この泡沫細胞が血管内にたまると、動脈効果の原因となります。

 次第に動脈壁が圧迫されて血管の内側が狭くなり、その結果、血流が妨げられ、動脈硬化が進展していくのです。

(参考資料:「色から見た食品のサイエンス」/ サイエンスフォーラム)


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野菜の代表的ポリフェノール―【ケルセチン】
 《血液さらさら》などで話題のタマネギですが、そのパワーの秘密は野菜の代表的なポリフェノール『ケルセチン』にあります。

 ケルセチンはレタスなどの花菜類をはじめとする野菜に、糖が結合した配糖体の形で含まれる健康成分です。特にタマネギはケルセチン含有量が極めて高く、100gあたり28〜50mg程度も含まれます。

   ケルセチンは抗酸化作用や活性酸素除去に関わる評価で、さまざまな働きが期待されるポリフェノールです。

 タマネギは古代エジプトの頃から世界中で利用され、健康維持や生活習慣病予防に役立つ野菜として位置付けられています。

 タマネギに含まれるケルセチンの特徴は、そのほとんどが《配糖体》の形で存在している点にあります。そのため体内で速やかに吸収され、摂取後すぐに血中ケルセチン濃度が上昇すると考えられています。

 そのピークは2〜3週間後でその後は速やかに減少しますが、他の非栄養素と比較して非常に長く血中に溜まるという特徴があります。

 さらに、タマネギのケルセチンは炒めても含有量の約80%は維持され、煮る料理でもスープ煮のように汁を一緒に摂取すれば溶出分も摂取できます。

 吸収率の高いケルセチン配糖体は現代人に必要なパワー(エネルギー源)の一つとして非常に注目されています。とはいえ、毎食ごとに摂取するのは難しいものでもあります。タマネギの苦手な非とは、サプリメントなども上手に利用するのもよいでしょう。


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野菜摂取で健康生活
 加齢により私たちの免疫力は衰えていきます。さらに、ストレスや環境などの原因がプラスされ、体は本来の防衛機能を駆使するだけでは対応しきれないケースが増えてきます。

 そのような場合こそ、野菜の持つ第四のパワー《ポリフェノール》などの抗酸化物質を摂取することで、体内での活性酸素の増加を制御し、除去することが大切です。

   食生活では栄養のバランスと過食に注意し、三食きちんと摂ることがことが大切です。特に、ビタミンやミネラルが豊富で低カロリーな野菜は強い味方です。

 タマネギは勿論のこと、さまざまな緑黄職野菜や淡色野菜を摂取するように心がけ、旬の農作物の持つポリフェノールで、いつまでも若々しく健康的な毎日を過ごしたいものです。


■ 注目の《ポリフェノール》

【ケルセチン】(フラボノイド系) ※ルチンなどのケルセチン配糖体を含む
【特徴や期待される働き】高血圧の輿望、血行促進
【含まれる野菜など】タマネギ、レタス、ブロッコリー、リンゴ果皮、ソバ、エンジュなど

【カルコン】(フラボノイド系)
【特徴や期待される働き】アシタバ特有のフラボノイド、血行促進
【含まれる野菜など】アシタバ

【カテキン】(フラボノイド系)
【特徴や期待される働き】抗菌作用、抗がん作用
【含まれる野菜など】茶類、ココア

【イソフラボン】(フラボノイド系)
【特徴や期待される働き】女性ホルモン様作用、更年期、骨粗鬆症予防
【含まれる野菜など】大豆、大豆製品など

【アントシアニン】(フラボノイド系)
【特徴や期待される働き】赤から紫色の色素成分、眼の健康維持
【含まれる野菜など】ブドウ、ナス、赤キャベツ、ブルーベリーなど

【コマリグナン】
【特徴や期待される働き】肝機能保護、老化防止など
【含まれる野菜など】ゴマ

(参考資料:「色から見た食品のサイエンス」/ サイエンスフォーラム)


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