*--ストレス社会を元気に過ごそう--*


現在問題視されている「ストレス」について  (2005/08/05 update)
心の健康度をチェックしよう  (2005/08/05 update)
なぜ、精神疾患に陥るのか?  (2005/08/06 update)
ストレスの3つの原因  (2005/08/06 update)
ストレス度をチェックしましょう  (2005/08/08 update)
現代人によく見られる精神疾患  (2005/08/08 update)
心をリラックスさせる方法  (2005/08/12 update)
ストレスに負けない食生活  (2005/08/12 update)
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現在問題視されている「ストレス」について
 疲れているのに眠れない、憂鬱に感じたり、理由も無くイライラしたり、急に不安に陥ってたりすることが多いのは、ストレス負荷がかかっている状態であると言えます。

 ストレスが溜まってくると憂鬱になったり、イライラしたり、急に不安になったりすることが起きてきます。そうしたときに無理をすると心身のバランスが崩れ、身体的にも精神的にもますます辛い状態になってきます。こうなると「早く何かをしないと」と、慌てることも多いかと思いますが、このような時こそ、あまり焦らないで十分な休養をとり、心身ともにリラックスさせるようにすることが大切です。


■ 現代はストレス蔓延時代

 現代は、ストレスの多い時代です。科学技術の進歩で人間の生活は合理的で便利になってきました。その一方で、人と人との繋がりが希薄になり、人間的な情緒や安らぎを得にくい状況になっています。終身雇用制の崩壊や長引く経済状況、リストラなど、激しい社会構造や環境の変動による急速な価値観の多様化についていけず、生きがいを見失いがちな人も増えています。

 厚生労働省の地域調査によれば、地域の中の 7% 前後の人が調査時点までに鬱病にかかったことがあると答えています。これは 15 人に 1 人の割合で、非常に高い有病率になっています。

 さまざまなストレスを反映してか、1998 年以来、自殺者の数は毎年三万人を超え、特に中高年層での増加が目立っています。

 こうした自殺の背景には鬱病などの精神疾患が関係していると考えられる場合が多いことから、厚生労働省でも、心の健康の問題は生活習慣病と共に「国民の健康を脅かす存在」であり、「早急な対処が必要」であると警鐘を鳴らしています。


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心の健康度をチェックしよう
 精神疾患は非常に多い一般的なものであり、決して特別なものではありません。とはいえ、精神疾患はレントゲンで状態を確認したり、血液検査の数値で判断したりするようなものではなく、診断にあたっては、主観的な体験が重要になります。

 厳密に言えば、血液検査においてストレス数値を調べることは出来ますが、それはストレスがどれだけかかっているのかを調べるための数値であり、診断時においての、一つの判断材料にしかすぎません。他に、臨床で脳波や血圧などの数値を調べることもできるのですが、入院でもしない限り、一般的に容易に使用できる検査方法とは言えず、これも、診断時においての、一つの判断材料にしかすぎないと言えます。実質のところ、主観的な体験が、根本的な原因であり、通常の疾患で言う腫瘍やウイルスにあたるようなものなので、結果として、主観的な体験が重要になるわけです。

 鬱々とした気分で苦しくなったり、何をする気にもならないで日常生活に支障が出始めているようなら、鬱病の可能性もあります。精神的に疲れたなと感じたら、まず、あなた地震の心の健康度をチェックしてみましょう。


### 心の健康度チェック ###

 次の5つの質問に該当する項目があるかどうか、最近の自分自身を振り返りながら、チェックしてみましょう。

*****************************************************
・毎日の生活にハリが感じられない。

・これまで楽しんでいたことが楽しめない。

・これまで楽にできていたことがおっくうに感じられる。

・自分は役に立つ人間だとは思えない。

・わけもなく、疲れたような感じがする。
*****************************************************


### 診断結果 ###

 5項目のうち、2つ以上該当し、その状態が2週間以上続き、精神的に辛くなっている場合には要注意です。心身ともに十分な休養をとることが大切です。一人で悩まず、周囲の人に相談したり専門医のアドバイスを受けたりする方がよいでしょう。

(参考資料:「こころの自然治癒力 / 大野裕」講談社)


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なぜ、精神疾患に陥るのか?
 現在でも、精神疾患についての原因(科学的な知見によるミクロ単位の構造)は明確にはわかっていません。

 しかし、近年、さまざまな研究によって、精神疾患を患っている人では、脳の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンなどがバランスを崩していることが関係していることがわかっています。その切っ掛けとなるのがストレスです。 

 勿論、ストレスを受ける受けないについては個人差があり、置かれている環境や経験値などの関係上のものや、人格の性質やトラウマとの心理的上のものとの兼ね合いから、ケースは多種多様であるため、ストレスに強い人や、ストレスを感じやすい人など、いろいろありますが、それが、たとえストレスに強いからといって安心できるわけではありません。

 人は誰しも、自分の性格に合わない環境に置かれると、どんな人であっても精神的なバランスを崩します。

 切っ掛けは1つであっても、さまざまなストレスにより、精神的なバランスが崩れ、精神疾患の発祥に繋がります。

 ストレスになりやすい環境の変化としては、肉親や親しい人の病気や死、失恋、結婚や別居、子供の独立、引越しや転勤、出産や結婚、人間関係のすれ違いなど、さまざまなものがあります。特に、大切なものを失う「喪失体験」は誰にとっても精神的な負担になりやすいので、注意しましょう。


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ストレスの3つの原因
 ストレスの原因は大きく3つに分類できます。

◎物理的・科学的原因
暑さや寒さ、騒音、薬物、栄養不足など

◎生理的原因
疲労、病原菌の感染など

◎社会的・心理的原因
人間関係、不安、不満、失望、挫折など


 先にも述べてきたように、ストレスは精神疾患の引き金になるだけでなく、ストレス負荷を切っ掛けに免疫力が低下することから、癌を筆頭とするさまざまな病気を引き起こすことが最近の研究でわかっています。

 だからと言って、すべてのストレスが常に悪者というわけではありません。適度なストレスはやる気や活気を与えます。それは、運動と同じであり、運動もやりすぎると体の負担になりますが、適度な運動は心身の状態をよくします。

 また、ストレスの全くない状態では、汗をかくなどの体温調節機能の低下を招いたり、精神的に不安定になったりすることがあります。


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ストレス度をチェックしましょう
 もともと人間はストレスに対して速やかに反応し、対応できる能力を持っています。ところが、あまりに長期間にわたり過度のストレスにさらされると、心身に変調が現われてきます。

 あなたの現在の状況はどうでしょうか? 次のチェックリストで、ストレス度を確認してみましょう。


### ストレス度をチェック! ###

 以下の項目の中でYESにあたるものを換算してください。

・この1年間に、家族をなどに不幸があった。

・この1年間に、自分自身が入院した。

・この1年間に、家庭内でもめごとがあった。

・この1年間に、転職などの仕事上の変化があった。

・最近つまらないことで腹を立ててしまう。

・将来のことを考えると不安になる。

・何を食べても美味しく感じられない。

・寝つけなくてイライラすることがある。

・眠りが浅く、ぐっすりと眠れない。

・何をやっても楽しい気分になれない。

・緊張すると舌が乾いて話しにくくなる。

・友達に会うのがイヤな日がある。

・いつまでもクヨクヨと悩み続ける。

・間食やタバコ、アルコールが増えてきた。

・怒りっぽくなり、喧嘩することが増えてきた。

・お金のことで心配事がある。

・ステキな異性を見ても興味がもてない。

・毎日2時間以上はテレビを見ている。

・気分が落ち着かず、じっとしていられない。

・思うように行かないと感じることが多い。


### 診断結果 ###

【0〜2個】
 現在はストレスが溜まっている心配はありません。

【3〜5個】
 心配はありませんが、ストレスコントロールが必要になる境界線上です。

【6〜10個】
 ストレスが少し溜まっています。上手に気分転換をしましょう。

【11〜15個】
 ストレスがかなり溜まっています。生活パターンを少しずつ変えるよう心がけましょう。

【16〜20個】
 ストレスから心身のバランスを崩す心配があります。ゆっくり休養する時間を増やし、専門医に相談してみましょう。

(参考資料:「テクノストレスからくる疲れをとる本」墨岡孝 / 河出書房新社)


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現代人によく見られる精神疾患
 現代人の多い、鬱病、パニック障害、適応障害、心身症について解説しましょう。


【鬱病】

 鬱病は、気分が沈み込んで何をしても楽しめず、辛くなって日常生活に支障が出てくるような状態が2週間以上続く場合に診断されます。鬱病の症状は次のようなものがあげられます。眠れなくなったり、いつもよりずっと早く目がさめたりする。食欲が落ちたり、意欲がなくなったり、わけもなく疲れたりする。無闇に自分を責めるようになったり、自ら命を絶つことを考えるようになったりします。

 また、鬱病では、いろいろな体の症状があらわれます。その一部を示せば、頭痛、肩こり、手足のしびれ、関節の痛み、胸痛、腰痛、腹痛、吐き気、下痢、便秘、口の渇き、発汗、めまい、耳鳴り、動悸、呼吸困難、頻尿、排尿痛などがあげられます。体の病気の場合もあるので、専門医の診察を受けることが大切です。


【パニック障害】

 突然強い不安や恐怖が始まり、破滅が目の前に迫ってきているかのように感じる状態で、発作中に息切れや動悸、胸痛、胸部不快感、喉に物が詰まる感じがし、自分に対するコントロールを失う恐怖が現われます。30分〜1時間でおさまることが多いのですが、発作時の体験があまりに強烈なため、また起きるのではないかという予期不安が出現し、そのために外出できなくなることも少なくありません。


【適応障害】

 適応障害とは、外から見てはっきりとわかる強いストレスを職場や家庭などで受け、不安や鬱、問題行動などの精神状態が現われる場合をいいます。

【心身症】

 身体的な原因だけではなくストレスも関与して現われた身体疾患が心身症です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、球に腹痛や下痢を起す過敏性腸症候群、高血圧、リウマチなど、多くの身体疾患に心理的要因が関係していると考えられています。この場合、心身的な要因も強く影響するので、心身両面からの治療が大切となります。


【その他の精神疾患】

 この他、細かいことが気になったり、同じ確認行為を繰り返したりする「脅迫性障害」や、対人関係場面で緊張しすぎて生活に支障が出てくる「社会不安障害」、アルコールやタバコなどがやめられなくなり量が増えていく「物質使用障害」など、いろいろな精神疾患があります。


【事故などの外的要因由来の特異な例の精神疾患:心的外傷後ストレス症候群】

 最近では、地震被災者の間で問題がたちあがった、PTSD(心的外傷後ストレス症候群)とは、恐怖体験や強度の心理的苦痛体験などの強度の心理的ストレス負荷や肉体的ストレスからくる心理的ストレスで精神傷害に陥る精神疾患で、これは、俗に言われる「トラウマ」にあたるものです。恐怖体験に関連する物を見たり、似たような環境になった場合、フラッシュバックといって恐怖体験の記憶が甦り、精神障害を落ちます。この場合は、施設が整った専門医のカウンセリングを受けて、リハビリを続け、対処法を身に付けることによって、改善します。このような状態に陥っている場合、そのまま放置していると悪化する場合がありますので、まず専門医に相談する事が大切となります。


 心の疲れや、心の異常を感じたら、周囲の人に相談したり、医療機関を受診したりするようにしましょう。また、家族の心身の変化にも気をつけてあげましょう。


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心をリラックスさせる方法
 精神疾患では薬物療法と精神療法が基本となっていますが、対処法さえ心得ておけば、専門家を頼らずにすむことも出来ます。その予防として、心が疲れていると感じたとき、日常的に自分でできるリラックス法を試してみてもいいでしょう。


◎香りを利用するアロマテラピー

 植物の持つ自然の香りで精神を安定させる方法です。鬱状態には、レモンなどの柑橘系、不眠には、ローズ・パイン・ペパーミントなどの香りが良いとされます。ハーブティーとして飲んだり、アロマオイルをお風呂に入れたりして香りを楽しんでリラックスさせる方法もあります。


◎お香を利用するアロマテラピー

 仏寺用で使うお香を原料としたアロマテラピーもあります。実はお香で精神を鎮めるという方法は古代インドの知識と技術からのもので、仏教の伝来とともに日本に入り、一時は精神を穏やかにするために利用したり、お洒落で衣服にお香のにおいをつけたりと一般的に愛用されていたといわれています。お香にはランクというものがあり、白檀・沈香・伽羅(高級な沈香)となっていますが、白檀には心を穏やかにする作用があり、沈香には精神を鎮める作用があるとされます。また、お香には殺菌作用や消臭作用もあるため、衣服の焚き置きするとよいとも言われています。


◎入浴・森林浴でリフレッシュ

 入浴でストレス解消できる手軽な方法があります。40℃ほどのややぬるめの温度で10〜15分ゆっくりとつかります。また、森林浴もおすすめです。植物が放出する香り成分「フィトンチッド」は自律神経系に作用して、集中力を高め、気持ちを安定させるといわれています。


◎質の良い眠りを手に入れる

 正しい生活のリズムを取り戻すには、どんなに眠れなかったとしても、朝決まった時間に起きることです。太陽の光を浴び、生物時計をリセットして、生活リズムを整えることから始めましょう。眠たくなってから布団に入り、布団に入ったら「何もしないこと」が大切です。


◎エクササイズ・ウォーキング

 運動には、日常的なストレスから心身を解放する心理的効果もあります。ウォーキングなどの有酸素運動が効果的ですが、通常の歩幅よりも大きくして、胸を張って意識的に早く歩く「エクササイズ・ウォーキング」も効果があるといわれています。


◎音楽療法

 中には音楽療法で使われるような周波数を発生させる音楽も稀にあります。そのような稀な音楽であった場合、音楽療法用として作られたものよりも、大きな効果が得られることがあります。音楽療法をするときは、無理をせず、その時々に心理状態に合った物を聞くと効果が発揮されます。


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ストレスに負けない食生活
 バランスのとれた食事を3食きちんと摂るのが食生活の基本です。カルシウムは月経前のイライラ防止に役立つとされています。また、青魚などに豊富なDHA(ドコサヘキサエン酸)が鬱病の予防に有効ではないかとの報告もあります。

 個別の栄養素が心の健康とどのような関係があるかはまだ不明な点が多いのですが、バランスよく偏りのない食事をすることが大切です。以下の資料に示した栄養素を念頭に置きながら、ストレスに負けない元気な食生活を心がけましょう。


### ストレスに強くなる栄養素 ###

【ビタミンB_1】
豚肉、ピーナッツ、小豆、しいたけなど

【ビタミンB_2】
魚、ウナギ、納豆、乳製品など

【ビタミンB_6】
豚肉、魚(特にサケ)、そば粉、豆類など

【ビタミンB_12】
チーズ、貝類、肉類、レバーなど

【ビタミンC】
イチゴ、芽キャベツ、カリフラワー、柿など

【カルシウム】
かいわれ大根、チーズ、牛乳、大豆など

【マグネシウム】
わかめ、セロリ、バナナ、リンゴなど

【鉄】
アサリ、ひじき、マグロ、レバーなど

【亜鉛】
カキ、ゴマ、ナッツ類、小麦胚芽など

【DHA】
マグロ、サバ、サンマ、ブリなど


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